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てるくんの病気について その3 余命宣告

今回でてるくんの病気についての記事は終わりです。

最後に一番厄介な持病について書きたいと思います。

 

4ヶ月ほど前。

痒みも白内障も落ち着いて来て、あ〜良かったと思っていた頃。てるくんが嘔吐をするようになりました。フードも嫌々食べている感じ。前までは全部食べていたのが、7〜8割くらいしか食べなくなりました。ちょうど定期薬もなくなりかけていたので、嘔吐をし始めて2日後に受診。嘔吐をしていることと食欲が落ちていることを獣医さんに伝えたところ、念のため血液検査をしましょうということになりました。

検査をしてビックリ。てるくんの肝臓の数値がとても悪く、嘔吐もそのせいではないかとのこと。あまりに数値が悪すぎたため「もう数ヶ月しか持たないでしょう。一年後は生きていません」と、まさかの余命宣告を受けました。

頭が真っ白になりました。なんとかその場に立っているのがやっとでした。

「とにかく今日は点滴をしましょう。これから毎日通ってください」と言われ、てるくんは処置室へ。私はフラフラと待合室に戻り、放心状態でソファーに倒れ込みました。

なんで?今日は定期薬を貰いに来ただけで、てるくんの余命宣告をされに来たわけじゃない。ちょっと前まで元気だったのに。嘔吐だってそんなに頻繁にあるわけじゃない。フードも全く食べない訳ではないのに…。来年の今頃、てるくんは私と一緒にはいないのだろうか?

そんなことを考えていたら、悲しくて悲しくて涙が出そうになりました。でも、ここで泣いたらてるくんを不安にさせてしまう、と、ぐっとこらえて、てるくんが戻ってくるのを待ちました。

その日から点滴通いが始まりました。ちょうど雪の時期で、道もガタガタ。ノロノロ運転で毎日病院へ行きました。てるくんを諦めたくない!その一心でした。

そうのうちに、諦めの悪い飼い主の気持ちが通じたのか、てるくんの生命力の強さなのか、少しずつ数値が改善してきました。もちろん、基準値からはまだまだ大きく外れているのですが、少しずつ少しずつ良くなってきたのです。

そして、点滴は2日に1回へ。内服も併用になりました。

 

頻繁に病院に行くと、色々なワンコと出会います。てるくんと同じような、高齢犬もたくさん来ていました。

 

ある日、診察を終えてお会計を待っていると、隣に座っていらした飼い主さんが「あら、お目目真っ白。白内障?おいくつなの?」と話しかけてくださいました。

「15歳です」と答えると「あら、じゃあうちと一緒ね。同じだけど、お宅のワンちゃんはお元気そうね。一人でお座りもできるし…」

そのワンちゃんは、毛布に包まれて抱っこされて眠っていました。

「うちはね、もう一週間もご飯が食べられなくてね、ここ2日はお水も飲めなくなっちゃって、毎日点滴に通ってるのよ。先生には、もう点滴をしても意味がないって言われたんだけど、私から見たら、点滴をした後数時間は調子が良さそうな感じなの。だから今日も連れて来ちゃった。寿命かもしれないけど、でも、できる限りのこと、この子にはしてあげたくてね」

そこまで話された時、そのワンコの順番が来たようで、診察室に呼ばれました。

「あら、呼ばれたわ。じゃあね、お互い長生きできるといいわね^^うちは…もう無理かもしれないけど、お宅のワンちゃんは長生きさせてあげてね」

 

今でもこの出来事は鮮明に覚えています。あのワンコは今どうしているかな…。

 

実は、てるくんが余命宣告される以前に、ちゅん太とイトちゃんも「今急に亡くなってもおかしくないです」と言われたことがありました。でも、ちゅん太もイトちゃんもすっかり元気になりました。てるくんも少しずつ数値が良くなっています。だから諦めないでほしい、奇跡が起こっていてほしいと願わずにはいられません。

 

てるくんはその後も少しずつ数値が良くなり、内服のみで大丈夫になりました。現在は3ヶ月おきの受診でいいと言われています。

 

現在てるくんが飲んでいるお薬はこちら。

・ウルソデオキシコール酸錠(肝・胆・消化機能改善剤)

ニチファーゲン配合錠(抗アレルギー性肝疾患治療剤)

 

数値は完全に良くなったかといえばそうではないですが、悪いながらも以前のような悪さではなく、ちょいワル程度に落ち着いている状況です。年齢が年齢なので、ちょいワルを維持できればいいという獣医さんの判断です。

最近は腎臓の数値も悪くなり始めました。が、これも今は症状が出るほどの悪さではありません。

肝臓も腎臓も、これ以上良くしようと思えば治療方法はあるそうなのですが、平均寿命を超えた今、副作用のことなどを考えると、ちょいワルを維持することが当面の目標かなと思っています。

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▲毎日点滴に通っていた頃のてるくん。余命宣告をされたようには見えないですね。病院で出会うワンコの飼い主さんたちも、皆さんてるくんは白内障で通院しているもんだと思っていらしたようでした。